Q口を開けるたびに、上の総入れ歯がパタパタ落ちて困ってます
A入れ歯が落ちる理由として、次のようなことが考えられます。
一つは、可動粘膜といって、動く粘膜の上に入れ歯が乗っている場合です。上顎用の入れ歯は、上あごの口蓋部に床口蓋部がピタッと吸盤のように吸着して落ちないようになっています。ところが可動粘膜の上に入れ歯が乗っていると、粘膜が動いたときに入れ歯と口蓋部の間に隙間があき、入れ歯が落ちやすくなります。
図①は口を閉じた状態です。口を開けると、図②のように頬がグーッと上下に引っ張られます。すると入れ歯が乗っている可動粘膜が下がるため、入れ歯がパタッと落ちてしまうのです。上顎用の入れ歯は、可動粘膜を避けて装着しなければなりません。
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| 図① | 図② |
二つ目は、小帯です。舌や頬、唇などの粘膜の内側には、小帯と呼ばれる細いひも状のヒダがついています。上唇や頬についている小帯が上の入れ歯の土台(床)に当たると、入れ歯が落ちやすくなります。
三つ目は、デンチャースペースに入れ歯がきっちり納まっていない場合です。口を正面から見ると、左右に頬のふくらみがあり、歯を挟んで中央に舌のふくらみがあります。上の歯は頬と舌のふくらみに挟まれていますが、入れ歯を装着するときに頬に寄りすぎても、歯に寄りすぎてもいけません。デンチャースペースといって、頬と舌の間に入れ歯がピッタリ納まる場所があるのです。このスペースに入れ歯がピッタリ納まるようにつくれば、入れ歯が落ちるようなことはなくなります。
四つ目は上顎前歯と下顎前歯の関係です。上唇が前歯を強い力でグッと押さえつけるような状態だと、上の入れ歯がはずれる原因になります。とくに「屋根上咬合」といって、歯が屋根のように斜めに排列されていると、入れ歯が落ちやすくなります。5つ目が噛みあわせです。上下の歯が3点以上で噛み合っていると入れ歯は安定しますが、2点しか噛み合っていないと落ちやすくなります。3点以上で噛み合っているかどうかは、歯医者さんで噛み合わせのチェックをすればすぐにわかります。
歯の一本一本は、その人の口の中であるべき位置、大きさ、形が決まっています。それをきちんと割り出して入れ歯をつくり、納まるべきところに装着すれば、入れ歯がパタパタ落ちることはないはずです。




