治療のリスクが大きいという点で 真っ先にあげなければならないのは、インプラントです。インプラントはあごの骨に穴をあけて、そこに人工歯根を埋め込む治療です。日本ではまだ歴史の浅い治療で、どこの歯医者さんでもこの治療を受けられるわけではありません。また、歯医者さんのあいだでも技術的なレベルに差があるといわれています。
インプラントには入れ歯やブリッジにはない、よい点もあります。ですから上手な歯医者さんにかかって治療がうまくいけば、何も問題はありません。自分の歯のように快適にものが食べられるようになるでしょう。しかし、うまくいかなかった場合、あごは悲惨な状態になってしまいます。
治療に失敗してインプラントを撤去すると、あごには大きな穴があきます。その穴を埋めるために、まわりの骨が吸収されて自然なあごの形が壊れてしまいます。そのうえ撤去するときにあごの骨を削りますから、歯ぐきはさらにすり減って、みるかげもなく細ってしまいます。 そういうあごに合う入れ歯をつくるのは、至難のわざです。ふつうの歯医者さんでは、とてもできないでしょう。かといって、そこにまたインプラントを埋めるわけにもいきません。もう、治療の選択がなくなってしまうのです。
ある大学の口腔外科の先生から、インプラントの撤去が非常に多いという話を聞きました。先ほども書いたように、インプラントの技術は歯医者さんによって大きな開きがあります。もしヘタな歯医者にあたった場合、せっかくインプラントをいれても、三ヶ月も持たないケースがあるそうです。
なぜインプラントの撤去が多いのでしょうか。それは、インプラントをきちんと勉強せずに、インプラントをしている歯医者さんが多いからです。インプラントをするのに特殊な資格は必要なく、歯医者さんなら、簡単な講習を受ければだれでもできます。そこでいろいろなトラブルが起きてくるのです。
そもそもインプラントは、あごの骨を削るという大掛かりな処置を行う治療ですから、どこの歯医者さんでもできるものではありません。骨を削るとそこから細菌が入り込みやすくなるので、きちんとインプラントをするなら滅菌設備のある処置室が必要です。そこまでしている歯医者さんはそうないでしょう。
インプラントは、一度埋め込むと半永久的に持つと言われていました。にもかかわらず、1年も持たないケースがあとを絶ちません。
インプラントを撤去したあとの入れ歯づくりは並大抵の作業ではありません。私もそういう患者さんの入れ歯作りには苦労します。しかし、大変なだけにうまくいったときの喜びはひとしおです。また患者さんも、「これなら先に入れ歯にすればよかったと必ず後悔されます。
「後悔先に立たず」といいますが、骨を削ったあとではどうしようもないことがたくさんあります。あごがボロボロになって、いろいろなところに悪い影響を及ぼします。また治療後もたいへんで、三ヶ月も流動食を食べなければなりません。そうやって苦労してインプラントを入れても、合わなくて撤去し、あげくの果てに入れ歯も入れられなくなってしまうのですから救いようがありません。
ですから、インプラントを選択するまえに、まず入れ歯にしてみたらどうでしょう。 入れ歯はインプラントに比べると、非常にリスクの少ない治療です。まして私がしているMTコネクターはまったくといっていいほどリスクがありません。まずそれを試してみて、それがあわなかったらインプラントにすればいいのではないでしょうか。 またインプラントを受けるときは、歯医者さん選びも慎重にしてください。



