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保険の入れ歯と自費の入れ歯

材料だけがすべてではない

あなたは保険の入れ歯は安い、自費の入れ歯は高いというイメージを持っているかも知れません。では保険の入れ歯と自費の入れ歯では一体どこが違うのでしょうか? 一般的には自費の入れ歯のほうが材料がよいのでよい入れ歯ができるとよく言われます。 保険だとレジンという樹脂を使用するけど、自費は金属を使用し、その金属にもいろいろ種類があるといった説明のものです。歯医者さんに行って「保険だと安いけど、自費のほうがよい入れ歯ができるよ。」と薦められて金属床やその他の入れ歯にされた方も多いと思います。

しかし… みなさん、ここでよく考えてみて下さい。
本当にその入れ歯はあなたの口に合いましたか?

実際に高いお金を払って保険外で自費の入れ歯をつくってみてもその入れ歯が口に合わない患者さんは世の中にたくさんいらっしゃいます。実際私のもとにも今までの入れ歯が合わないのでなんとかしてほしいといった患者さんはたくさんこられています。

では一体何が問題なのでしょう?

確かに材料は入れ歯の品質の良さを決定する大切な要素です。がしかし、材料の違いだけが全てではありません。むしろ材料の違いというのは入れ歯の良さを決める要素のほんの数パーセントにすぎません。最良の入れ歯というものは、しっかりした技術を持った人が良い材料を使うことによってはじめてでき上がります。つまり、いくら材料がよくてもそれに技術がともなわなければ良い入れ歯はできあがらないのです。

このことをわかりやすく一つの例をあげて説明しましょう。

あなたが編み物屋にセーターを注文するとしましょう。ある編み物屋は、いい毛糸を使って、袖口のゴム編みもきっちり編んでピッタリしたセーターをつくってきます。しかし別の編み物屋は値段は安いもののいつも袖口がだらんとしたセーターしか編みあがってきません。その編み物屋に高価な毛糸を渡して、きっちりしたセーターを編んでくれと頼んでもおそらく無理でしょう。技術が変わらないからです。

これと全く同じことが入れ歯治療においてもあてはまるのです。 普段安い保険の入れ歯を作り慣れている歯科技工士に、突然自費の入れ歯をつくってくれと頼んでも入れ歯を作るテクニックは保険の入れ歯をつくるときとさほど変わらないので、いくら材料がよくても出来上がってくる入れ歯はそのテクニックに応じたものしか出来上がってきません。 これは歯医者さんにも同じことが言えます。いつも保険の入れ歯をつくっている歯医者さんには、自費の入れ歯はつくれないのです。

ですから、自費診療で入れ歯をつくるときは、入れ歯に関して自費診療を主にやっている歯医者さんを選んでください。自費診療をしている歯医者さんは、たんにいい材料をつかっているだけではありません。カウンセリングにも時間をかけ、じっくり話を聞いてくれるでしょう。そして腕のいい歯科技工士に入れ歯を発注しているはずです。

本当の入れ歯治療

最後に保険の入れ歯と自費の入れ歯に関して決定的なことを付け加えておきます。
それは次のことです。

保険だと入れ歯のまねごとはできても入れ歯はデ・キ・マ・セ・ン!!

これはなにも良い入れ歯ができないといっているのではありません。 良い悪い以前に入れ歯そのものができないということを申し上げています。 たしかに現在でも保険で入れ歯はたくさんつくられています。 ですが歯医者さんや、歯科技工士は手抜きをしているはずです。また手を抜かざるをえません。本当はもっと一人一人の患者さんに時間も手間もかけられるはずなのです。 保険の入れ歯づくりでは 入れ歯の形をしたものをつくっているにすぎません。 しかし入れ歯は単なるものではありません! そこでは本当に患者さん1人1人にあうオーダーメードの入れ歯はつくられていないのです。

本当の入れ歯治療というものは、まず患者さんの悩み、相談を時間をかけてじっくりと聴き、そしてその患者さんに合った入れ歯を、患者さん、歯科医師、歯科技工士が一体となってつくりあげていかなければなりません。これらを安い保険制度でまかなう事自体に無理があるのです。

安い保険の労働条件のもとでは多くの患者さんを診ていかなければならず、 、医療従事側としても患者さん一人一人にそこまで時間を割いていられないし 手間もかけられないのです。患者さんにとっても、歯医者・歯科技工士に とっても「安かろう、悪かろう」では精神衛生上よくありません。 保険の入れ歯をつくることは患者さんにとっても歯医者さんにとってもストレスのたまることなのです。 これはもう悲劇としかいいようがなく、国の制度と日本人の入れ歯に対する 意識を改めていかなければ、そして何より業界人が患者さん本位の姿勢を持たなければ歯科医療の未来は明るいものにはならないでしょう。

本当の入れ歯治療は、良い材料、しっかりした技術を基礎にして、しっかりカウンセリングを行い患者さん 一人一人の口にあったオーダーメイドの入れ歯を作り上げ、入れ歯ができたなら 身体の変化に合わせて入れ歯も合わなくなってきますからそのたびに調整を 重ね、必要とあればつくりかえ、そしてアフターフォローも時間をかけしっかりとしていかなければなりません。これだけのことを妥協無くしていかなければならないの です。ですから本当の入れ歯治療で安いということなどありえないのです。

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